リサーチの信頼感とヒューリスティック
前の投稿をもう少し詳しくまとめてみた。
経験と記憶 (リサーチにおいて) - Hello World By Idenarix http://t.co/FvLChWertA
— Idenarix (@Idenarix) 2015, 10月 12
前に記憶と経験の乖離がリサーチ結果に影響を与えるかもって事を書いたけど、リサーチ結果と実際のビジネスメトリクスとのギャップなんかにも影響を与えるんじゃないかって思ったり。
記憶の態度と経験の態度
リサーチでは総合的な指標として消費者の態度変数を扱ったりする。たとえば、好意度とか購入意向とか。
企業が広告とかコミニュケーションで消費者に影響を与えるときに、その態度変数の変化を追うわけだけど、例えばトラッキング調査としてトレンドを追う場合には、1週間とか1ヶ月単位で同じ指標を繰り返し聞いていく。そして、その点と点と結んでいって消費者の態度の変化を描こうとする。また、その態度の変化が広告やコミニュケーションの成果と言うことになる。
でも行動経済学によると、人間のある事柄に対する記憶は、そのピークと終わり(直前)の状態に左右されると言う。
つまり、1カ月スパンのトラッキングだとすると、最初の3週間はポジティブでも、最後の1週間がネガティヴだと、その人の記憶はネガティヴだとされてしまう可能性がある。
でも、(態度がある程度売り上げに相関するとして)売り上げは最初の3週間はプラスなので、そんなに悪いわけではない。この逆のパターンもありうる。
こうなると、トラッキング調査のトレンドと実際のセールスのトレンドはうまく一致しないことにもなってしまうのでは。
時間の連続性
スパンの長いリコール式の調査を嫌がって、毎日少しずつサンプルを変えて直近1週間のことを答えてもらうようなケースもあるみたいだけど、これも時間の間隔が短かっただけで結局は同じことのような。セールスなどのビジネスメトリクスは時間の連続性の中で生まれているので、調査で測定する指標も時間的な連続性の中で扱わないといけないのでは。
そもそも論とリサーチの信頼感
前も書いたかもだけど、リサーチもモバイル端末などの発展で、何でもかんでも思い出させないとデータが集まらないような世界ではなくなっているわけで、まずは、自分たちが集めているデータがどう言った素性をもったものなのか、からの視点が必要だなと。
リサーチ以外にもマーケティング課題を解決する選択肢が広がりつつある今、この辺の反省って大事じゃないかな。